ふぃまの風~島のキオクとキロク~      来間島のはなし

NPO法人来間島大学まなびやーのブログです。
来間島は沖縄県・宮古島と橋で繋がる架橋離島です。
昔ながらの伝承や神事、豊かな自然が残る、のどかで美しい離島です。
来間島の古老らから聞いた話や、島の伝統や文化、島おこしの話を、
当法人理事の砂川が綴ります。

来間島探偵団

旧十六日祭の赤い寒天の謎③

旧旧六日祭の重箱に入っていた赤い寒天について、
砂川のFBに寄せられた皆様からの声や、個人的に聞き取りをさせてもらった情報をまとめます。

まず、共通して多かった声が、「懐かしい!」です。
今は重箱にはないけど、確実に島人たちの記憶にありました。

では、そのお味はいかがだったのでしょうか?


〇少し甘かった(40代男性出身地?)
〇薄甘かった(30代女性市内出身)
〇甘すぎない砂糖味(40代女性市内出身)

と、おおむね甘くない、という意見が続く中、ただ一人、

〇甘い(40代男性伊良部島出身)
という方もいました。

なるほど。伊良部島が甘く作っていたのか、それとも彼の家だけなのか?
これはもっとリサーチしなくてはなりませんね。


旧十六日祭



続いて、ナミナミとした形状に関してです。

〇ナミナミしていた。また、ナミナミした包丁が実家にあった。刃先はあまり尖っていなかった(40代男性宮古島市在住)
〇ナミナミとした包丁があったと聞いている(40代女性城辺出身)

という声に驚いてしまいました!

ナミナミの包丁とはいったいどんなものだろう?と思っていたところ、

お菓子作り用の道具でスケッパーというのがあり、
ナミナミしているからそれではないか?

という意見が持ち上がりました。


が、実家にあったという40代男性があっさりと否定。

ググってくださり写真を送ってくださいました。

ナミナミの包丁

実家にあったのとはちょっと違うが、これに似ているとのことでした。

赤い寒天は各家庭で手作りされ、どうやらこの波型模様の包丁も各家庭にあったことがうかがえます。


さらに、折箱で作られ、その容器の側面の模様がついたのでは?という意見も寄せられました。

確かに、
〇テイクアウト用の容器に入っていた記憶、出来合いかも?
〇ナミナミしていたけど、そうでないのもあった(60代男性 来間島出身)

との声もあり、
は、例えば9等分にカットされた場合は中心部は波模様ができません。
ということを考えると、確かに容器もあり得ます。

が、容器に関しては、探偵団で実験してみます。
さすがにナミナミの包丁は買えないので。
(一応、サンエーをのぞいてみましたが、ありませんでした)

赤い寒天

続いて、この赤色に関してですが、
〇民俗素養のある方に聞いたところ、お正月のお祝いで赤くする。つまり、紅白の紅。寿という意味だそうな。
 イカや玉子も食紅で染めていたとのこと。
 尚、寒天の味はやはり薄甘いていどだったそうな(笑)。

とのことで、やはり意味がちゃんとあるのですね。


〇叔母は赤い寒天の上に淡雪乗せた(多分卵白)紅白の寒天も作ってくれてました
との声もあり、伝統を守りつつ、自分なりのアレンジを加えるご家庭もあったようです!

旧十六日祭


旧十六日祭の赤い寒天、
味はあまりなく、ナミナミで、寿の意味もあった赤い寒天、
何故消えて行ってしまったのでしょうか?

その理由はやはり、味かもしれません。


〇私は美味しいと思ったことがない(40代市内出身)
〇薄甘い、自分の寒天嫌いはそこから始まった(40代女性城辺出身)
こちらの意見をある女性に伝えると、
〇確かに、分かる。ジャリジャリしていて美味しくなかったわけ。
 ゼリーみたいにとぅるんとしてないわけ(40代女性市内出身)


確かに、来間出身の男性も
〇すごく美味しそうに見えて真っ先に箸を伸ばすけど、まったく美味しくなかった、
と言っていました。


先にあげた女性の「薄甘い」という言葉。
これがすごくそれを表現しているように感じます。

ほんのりと甘い、とか、かすかに甘さを感じる、とかではなく、薄甘い、
とは、如何にも美味しくなさそうな表現だと思います。

これも各家庭のマストアイテム?


しかし!!
〇西表島では赤い棒寒天も食紅で染められた寒天も売られている。(西表島在住・女性)

とのことで、まだまだしっかりとしたニーズがあるようです。
これは是非とも西表島に行かなくてはなりません!!


また近年は、
〇緑色の寒天がオードブルに入っていた(40代?男性 池間島在住)

との声もあり、新たなバージョンが生まれつつあるのかも?


また、他地区の寒天では、
〇くずし豆腐が入った寒天があり、お茶請けとして食べたり、
ご馳走として並ぶ、味は甘くない。

とのことで、宮古島在住者から出身者、西表島や、和菓子屋さん、寒天やさんからのご意見も賜り
大いにFBは盛り上がったわけですが。

こんなコメントが。


夕暮れのサトウキビ畑

〇諏訪盆地一帯の慶弔のご馳走には寒天入ってますが、波波カットは日本中の当たり前(≧∇≦)
 なんでも少しでも見栄え良くと言うかんじでしょ。

とのコメントがあり、あら?ひょっとして私が知らないだけでこれって日本の常識だったのね?

 




同じカテゴリー(来間島探偵団)の記事
この記事へのコメント
おはようございます✨
赤い寒天の謎シリーズ、楽しく読ませて頂きました(^^)
私、昔から寒天大好きです。
何故なら行事の度に母が作っていたから❤作る工程を見るのも好きでしたね~。
赤・白寒天の中には「みかん缶詰め」を入れてました(その時に缶詰めの汁も入れてた様な気が……)
寒天の中で浮いているみかんがカワイイんです~❤

今は便秘気味の時に作ったりします(笑)
Posted by ラブラドライトラブラドライト at 2018年03月16日 09:14
コメントありがとうございます!
おお、寒天が大好き!とは、素晴らしいです!
何故だか、圧倒的に苦手意識を持っている方が私の周りには多くて…
みかん入りも良いですねえ。
美味しそうです!

私は、生協のアガーとか、エーコープで売っているゼリーの素みたいなのを使っているので、今度ちゃんと寒天で作ってみたいと思います!
Posted by 来間島大学まなびやー来間島大学まなびやー at 2018年03月17日 10:07
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。
プロフィール
来間島大学まなびやー
来間島大学まなびやー
沖縄県の宮古島と橋で繋がる離島・来間島で活動するNPO法人来間島大学まなびやーです。
伝統を受け継ぐこと、誰もが住みよい島づくり、地域力・来間島力をあげることを目指し、
島ぐるみで地域おこしに取り組んでいます。

てぃーだイチオシ
アクセスカウンタ
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 1人
QRコード
QRCODE
< 2025年04月 >
S M T W T F S
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30